この三尺坊権現は、今を去ること九〇〇年の昔(平安中期)舟塚山山頂に勧請されたものを江戸時代初期に圓明院の境内に移したものです。ご神体である三尺坊様のお姿は、当山の寺伝によりますと、不動明王を主尊といたしまして、カルラ天(飛行自在の徳をそなえているという鳥の姿をしたインドの神様)、ウガ神(ヘビにお姿を変えて現れるといわれる穀物の神様)、ダキニ天(人の死を六ケ月も前に知るというインドの神様、日本では、その本体をきつねの精とする)、弁財天の五相合体であると伝えられております。くちばしと翼のあるお姿より、俗に「からす天狗」などとも呼ばれております。古来より火防権現として信仰を集めるほか、「家内安全」「商売繁盛」「当病平癒」等諸願成就の祈願に多くの信仰を集めております。お参りの形式は、社内の三尺の棒を一年問各人の家にお祀りし、お礼参りの際、二本にしてお返しするという特異な形態をとっております。もとは、能野権現の流れをくむ修験通が伝承されており、熊野に伝わる「蘇民将来」の六角形の祝い棒の転化したものとも考えられます。
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